リスクマネジメント

経営に重大な影響を及ぼす様々なリスクに的確に対処することが、当社グループの持続的な成長と企業価値向上に不可欠です。BANIの時代における国内外の事業環境や、半導体産業において想定しうる様々なリスクの把握と予防・防止に努めるとともに、リスクが顕在化した際の負のインパクトを最小限にとどめる方策を策定するなど、グローバルなリスク管理体制の整備・充実に努めています。

リスクマネジメントシステム

取締役社長を委員長とする
TOKグループリスク管理委員会で一元管理

社長を委員長とする「TOKグループリスク管理委員会」を年4回開催し、リスク管理体制をタイムリーに見直しながら柔軟にリスク管理方針を策定・強化しています。また、様々なリスクに的確に対処するため、「TOKグループリスク管理規程」「TOKグループリスク管理基準」を制定し、これに基づき、「経営リスク」「事業リスク」「環境リスク」「コンプライアンスリスク」「経済リスク」「社会リスク」および「政治リスク」の各項目において重大なインパクトをもたらすリスクの特定や当該リスクの分析、対策の決定・実行、評価等のリスクマネジメントをタイムリーに講じることで、顕在化の抑止と、顕在化した際のインパクト最小化に注力し、特に重大なリスクへの対応は、経営層が主体的に関与することでリスク影響の最小化に努めています。

リスク管理委員会体制図

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※委員長は取締役社長

企業価値最大化に向けて

半導体エコシステムの持続的な発展に向けて、
より実効性のあるリスク対応策をERM部が主導

当社グループが認識する短期/中期/長期のあらゆるリスクに包括的/専門的に対処することを目的に2024年4月に新設したERM部は、「サプライチェーンリスク」「自然災害リスク」「国際情勢リスク」「サイバーリスク」など多様なリスクについて、経営層や各本部と連携しながら各種対応策を策定しています。
当社グループの事業が拡大を続け、外部環境も刻一刻と変化し続けている昨今は、淡々と事業運営するだけでは立ちゆきません。同部は、リスク管理を形骸化させることなく、より実情に即したリスク対応策を主導していきます。
そのうえで、リスクマネジメントと成長戦略を密接に連動させることで、マテリアリティ「半導体エコシステムの発展」への取組みと持続的な企業価値向上に邁進します。

将来リスクの最小化とリスク対応力の強化に向けて

足元では各国・地域間の紛争・戦争や経済安全保障や産業政策における激しい変化が起きていることから、ERM部では専門的な知識と経験を有する人財を中心に、社内外の情報収集に取り組んでいます。将来影響を受ける可能性の高いテーマについては早い段階で情報を収集し、リスクの早期察知と対応期間の確保に努めており、これら一連の取組みによって将来リスクの最小化に向けて事前準備を進めることで、当社グループの総合的なリスク対応力の向上に注力しています。
加えて、多角的なリスクアセスメントによってリスクとインシデント発生状況の関連性を把握しつつ各種リスクを可視化・分析し、なるべく多くのシナリオ分析を行うことで、リスク対応力を強化しています。そのうえで分析結果を各部署にフィードバックすることで、当社グループ全体のリスク対応力の強化に努めています。

リスクアセスメントとガバナンスの強化

前述のTOKグループリスク管理委員会で重大リスクとして定義されたテーマについては担当役員がリスクオーナーとして責任を担い、リスク低減に向けた活動を検証し、継続的に改善する体制を確立しています。
足元では特に「サプライチェーンリスク」「自然災害リスク」「国際情勢リスク」「サイバーリスク」を重大リスクとして特定し、各リスクにまつわる具体的なシナリオを抽出したうえでその影響度を定量的に評価しつつ目標を設定することで、リスク低減策を段階的に推進しています。
加えて、取締役会で大型投資案件が審議される際には客観的なリスク評価レポートを提供し、経営陣とリスクを共有することで、ガバナンスのさらなる強化につなげています。

従業員の安全を最優先としたBCP(事業継続計画)の強化

ERM部が主導するBCP強化の一環として、日本国内に多くの製造拠点を有する当社グループにとって甚大な影響を及ぼし得る大規模自然災害リスクを「起こり得るもの」として現実的なリスクと認識し、BCPの再構築および精緻化を推進しています。
特に、南海トラフ地震および富士山噴火については、当社グループの事業継続性に重大な影響を及ぼし得るリスクとして位置付け、専任のリスクオーナーとして役員を任命しています。そのうえで、社長を委員長とするTOKグループリスク管理委員会において対応方針を決定し、具体的な対策を進めています。例えば南海トラフ地震については、2011年の東日本大震災における郡山工場被災の経験から得た教訓を踏まえ、当社の主力拠点が津波の直撃を受けるエリアに位置していないことを前提に、被害の最小化を図る「減災」を柱とした対策に注力し、「災害発生時に迅速な復旧を可能とし、被害を極小化する体制」の強化に努めています。また、「人命最優先」という大原則を明確に掲げ、リスク顕在化時の現場においては、従業員とその家族の安全確保を最優先事項とし、安全が確認された段階で初めて事業再開計画を始動するという基本的な対応順序を徹底しています。
2025年度は上記一連の災害対応策をさらに強化すべく、より高度な防災訓練等を実施し、防災リテラシーのさらなる向上に努めました。今後も、自然災害の発生が予測困難であることを踏まえ、「早期の備え」と「最悪シナリオを想定した訓練・議論」を継続的に実施することで、人命と事業継続の両立を図るBCP戦略の高度化を推進していきます。

安全保障輸出管理体制の効率化と強化に向けて

リスク情報の収集と「体制強化・業務効率化の推進」

米中貿易摩擦のさらなる激化や相互関税の導入、2026年以降の地政学リスクのさらなる高まりといった事業環境変化への対応においては、各地域に影響を及ぼしうる法案、法令への対応を中心に強化しています。当社グループが収集すべきリスク関連情報は急激に増大していることから、ERM部内に安全保障輸出管理課を設置することで、包括的かつ迅速な情報収集・管理に注力しています。同課では多くの専門人財を育成するべく積極的な教育研修や資格取得を促進しているほか、情報収集の精度を上げるため、外部機関との直接的なコミュニケーションを加速しています。2025年度以降は外為法の規制強化を踏まえ行政との連携を強化いたしました。
加えて、ホルムズ海峡封鎖に端を発するサプライチェーンの混乱に際し、臨時TOKグループリスク管理委員会を随時開催することでスピーディな対応策を講じています。

 

経済安全保障対応の充実・強化

技術移転/流出防止に向けて

海外への技術移転や流出については、当社グループのみならず、産業全体において大きな課題であると認識しています。当社グループは外為法や米国EAR法案をはじめとする各国の方針や規制へ対応するほか、技術移転リスクの低減に向けては、意図せぬ情報流出の防止策を含め、情報管理の強化を最重要課題として捉えています。そこで、情報管理委員会の主導のもと、海外子会社を含む当社グループ全拠点における最新のIT管理体制の整備や人財流出に伴う情報漏洩等の防止策も強化・推進することで、リスクの最小化に努めています。
特に当社グループの半導体用フォトレジストについては、日本の守るべき技術として重要度が増していることから、「サプライチェーンリスク」「国外への技術流出リスク」「サイバーセキュリティリスク」などを洗い出し、当社製品の安定生産・安定供給を継続することに注力しています。

情報管理の⾼度化に向けて

情報管理やセキュリティレベルをグローバル視点で強化

情報資産の流出は、当社グループの競争優位性を大きく損ない、企業としての存続を脅かすリスクとなり得ます。また、企業を取り巻く環境は大きく変化しており、情報資産流出リスクは一企業のみならず当社グループを取り巻くサプライチェーンにとっても大きな脅威となっています。情報管理体制の強化は「企業価値の保全」と「社会的責任の遂行」の両面で重要課題であるという認識のもと、情報セキュリティ確保のためのPDCAサイクルを回し、取組みを一層強化していきます。足元では、2024年まで取り組んでいた機密情報保護(PIP)管理評価による各グループ会社のセキュリティレベルを可視化、引き上げのうえ、管理基準や強化項目等も一元管理することで、グループ全社で適切に情報管理できる体制を構築しているほか、近年のサイバー攻撃の増加に対しては、情報管理委員会を通じて多くのアセスメントや訓練システムの強化に注力しています。加えて、従来のオンライン教育よりも実効性の高い手法として年数回の抜き打ちテストを全従業員向けに実施するなど、グループ全体の情報リテラシーの強化を図っています。


→ TOKグループ情報管理方針
     https://www.tok.co.jp/sustainability/governance-activity/information-management
→ 主要な事業等のリスクおよび対応策は、「有価証券報告書」をご参照ください。
     https://www.tok.co.jp/application/files/9717/7432/8945/securities_2512.pdf

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