生物多様性の保全
当社グループは「東京応化生物多様性保全行動宣言」を制定し、グループ全体で生物多様性保全に向けた活動に取り組んでいます。
2024年の主な取組み、今後の重点施策等
当社はボイラー燃料として天然ガスの供給を受けることができないエリアを除き天然ガスを使用しており、一部重油を使用する工場ではNOx、SOx排出量に対し自主規制を設けモニタリングしています。
また、土壌や地下水の汚染、水質汚染物質の排出は地域住民、従業員の安全、健康を脅かし生態系に影響を与える大きなリスクと認識し、土壌、地下水は定期的にモニタリングのうえ、万が一基準値を超える水質汚染物質の排出があった場合の防護処置と速やかな情報開示を手順に定め、定期的に訓練を行っています。また、排水については法令や都道府県の規制値よりも厳しい自主管理基準を定め、基準値を満たしたものを公共水域に放流しています。
2024年は基準値を超える環境汚染物質の排出はありませんでした。PRTR法指定物質も専用システムで管理、VOCや有害大気汚染物質の排出量の把握に努め、行政への報告も適切に行っています。

オゾン層破壊物質対策
当社グループは、オゾン層破壊物質であるCFC-11や CFC-12などの特定フロンを主に冷蔵・冷凍機の冷媒として使用しており、グループ全体で、使用機器の削減や代替物質、グリーン冷媒(ノンフロン)への転換を進めています。また国内では、フロン排出抑制法(改正フロン法)により定期点検や漏えい量の報告等が義務づけられているため、適正な管理・充填・処分が行われるよう環境整備を進め、適切に対応した結果、フロン排出抑制法に基づく2024年の漏えい量は、約302t-CO₂eでした。加えて、オゾン層破壊物質を使用している消火設備についても定期的に切り替えを行うなど、今後もグループ全体で定期点検等を行い、フロンの漏えいが無いよう管理のさらなる強化を図っていきます。
※集計期間:2024年4月~2025年3月
PRTR対応の推進
化学物質の法規制であるPRTR法(化学物質管理促進法)に基づき、製造あるいは使用した指定化学物質について、排出量および移動量の管理と行政への報告を行っており、それらの数値を正しく算出・報告するために、「化学物質・PRTR管理システム」を活用しています。PRTR法で定められている第1種指定化学物質(515物質)のうち、2024年は85物質(取扱量は2,046t)を取り扱い、このうち大気・公共水域への排出量を2tと推定しています。また、当社は加盟する一般社団法人日本化学工業協会の日化協PRTR調査を通じて、VOCや有害大気汚染物質の排出量の把握に努めていきます。
※集計期間:2024年4月~2025年3月
政令番号 | 化学物質名 | 排出量(t) | 移動量(t) | |
---|---|---|---|---|
大気 | 水域 | |||
21 | 2-アミノエタノール | 0.0 | 0.0 | 1.9 |
42 | アルキルフェノール(アルキル基の炭素数が9のものに限る。) | 0.0 | 0.0 | 0.2 |
73 | エチルベンゼン | 0.3 | 0.0 | 4.8 |
78 | エチレングリコールモノメチルエーテル | 0.0 | 0.0 | 0.1 |
103 | キシレン | 1.2 | 0.0 | 13.6 |
106 | クメン | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
110 | クレゾール | 0.0 | 0.0 | 15.2 |
166 | ジエタノールアミン | 0.0 | 0.0 | 0.1 |
170 | ジエチレングリコールモノブチルエーテル | 0.0 | 0.0 | 0.1 |
173 | 1,4-ジオキサン |
0.5 |
0.0 | 77.7 |
208 | ジクロロベンゼン | 0.0 | 0.0 | 0.4 |
242 | N,N-ジメチルアセトアミド | 0.0 | 0.0 | 5.0 |
264 | N,N-ジメチルホルムアミド | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
267 | 1,2-ジメトキシエタン | 0.0 | 0.0 | 0.1 |
307 | テトラメチルアンモニウム=ヒドロキシド | 0.0 | 0.0 | 1.9 |
342 | トリメチルベンゼン | 0.1 | 0.0 | 0.0 |
347 | トルエン | 0.0 | 0.0 | 0.3 |
352 | ナフタレン | 0.0 | 0.0 | 0.1 |
387 | ピロカテコール | 0.0 | 0.0 | 0.4 |
391 | フェノール | 0.0 | 0.0 | 1.4 |
414 | ふっ化水素及びその水溶性塩 | 0.0 | 0.0 | 3.9 |
442 | ヘプタン | 0.2 | 0.0 | 33.7 |
486 | メチルナフタレン | 0.0 | 0.0 | 0.3 |
489 | N-メチル-2-ピロリドン | 0.0 | 0.0 | 3.6 |
501 | 2-(2-メトキシエトキシ)エタノール | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
464 | ホルムアルデヒド | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
生物多様性の保全
当社グループは「東京応化生物多様性保全行動宣言」を制定し、生物多様性保全に向けた活動に取り組んでいます。毎年、国内全役員・従業員、および一部事業所の協力会社従業員を対象に生物多様性を含むCSRについての教育を実施しているほか、「かながわトラストみどり財団」を通じて、「県民参加の森林づくり」に社員を派遣しています。 阿蘇工場では阿蘇地域の水源涵養*機能の改善・向上と豊かな生態系の環境形成を目的に(公財)阿蘇グリーンストックが主催する森林保全活動に参加し、郡山工場での猪苗代湖の漂着水草回収活動など、各拠点での活動も行っています。このような地道な生物多様性保全活動が社内外に波及し、地球環境に貢献できるよう、これからも活動を続けていきます。
*降雨時の洪水緩和、水資源の貯留、水質浄化等、森林が持つ機能
東京応化生物多様性保全行動宣言
- 生物多様性保全を経営の最重要課題の一つと位置づけ、地球環境保全活動を強化します。
- 生産活動および製品・サービスの開発提供を通じて、またサプライチェーンとも連携して、環境負荷の継続的な削減を実現し生物多様性の保全に取り組みます。
- 社員に計画的に教育を実施し、生物多様性保全の重要性について正しく認識・理解させることで、活動の充実を目指します。
- 社会の皆様から高い評価と信頼が得られるような環境保全に資する社会貢献活動を継続的に行います。
- 取組み結果について公表し、社会の皆様とのコミュニケーションを促進します。
今後の課題と取組み
当社グループはこれまで、地球温暖化をはじめ、大気、土壌、水等の汚染についても様々な活動、対策を通じ、生物多様性の保持に向けて取り組んできました。これらのどのカテゴリーについても常に正常に活動ができるよう、今後も施設、設備の適切な維持管理を行い事故の無いように努めることで、化学物質を取り扱う企業としての社会的責任を全うしていきます。